絶滅危惧種
中村信哉の苦悩 
〜お便り〜




「咬む犬も直るという訓練士は“嘘つき”だ」
「咬む犬を自分でしつけない飼い主は無責任だ」というトレーナー様へ

拝啓

はじめてお手紙差し上げます。 「本気咬みする犬も多い割合で更正する」と体を張ってる中村と申します。

方々より「咬む犬も直るなんて言う訓練士は“嘘つき”だ」と耳にしております。嘘をついているわけではないのですが、私祖先が屯田兵でございますので開拓精神が旺盛でございます。たとえ世界中のトレーナーが「咬む犬は直らない」と言っても「外野は黙ってろ」と言う人間でございます。あっ、屯田兵についてはご自分で調べてみてください。ネットですぐに出てきます。

私も100%直ると断言しているわけではないのでここまで強く言う権利はないのかもしれませんが「咬む犬は直らない」と言ってしまうと言われた飼い主様は途方に暮れてしまうのです。これほど辛い言葉はないのです。飼い主様が求めているのは「絶対直る」とか「どんな犬でも」という楽観的な言葉ではなく「直すために力を貸してくれる、直すために誠心誠意体を張ってくれる人」なのではないでしょうか?少なくとも私は体を張っているつもりです。更正が叶わなかったわんこは養子として譲り受けています。

「そんなことしていたら訓練所は咬む犬だらけになるじゃないか・・・」と思われるかも知れませんが心配にはおよびません。更正率は高い方なので経営にはほとんど支障はございません。 犬を見もしないで、犬とお互いの鼓動をぶつけ合うこともしないで「直らない」は少々見切りが早過ぎはしないでしょうか?無駄な努力に終わるかも知れないことは重々承知です。しかしほんのわずかでも可能性が残されているなら命の限り、犬と向き合うのが私たち訓練士の努めなのではないでしょうか?

「咬む犬を自分でしつけない飼い主は無責任だ」というトレーナー様。申し訳ございませんが普通の人間は咬まれると恐怖を覚えるものです。それと咬まれることがどれほど危険なことかご存知でしょうか?一度ガッツリ咬まれてみるとお分かりになると思います。「救いを求めている飼い主に自分はなんて危険なことをやらせようとしているんだ」と胸が痛むはずです。

「咬む犬を他人に訓練させるなんて責任放棄だ」は言い過ぎではないでしょうか?

子供を学校に入れる親は無責任でしょうか?
塾に通わせる親は無責任でしょうか?
責任を全うするための手段の一つを否定しては飼い主様の立つ瀬がありません。

何より咬む犬を飼い主様にしつけさせるならば手本を見せるのが先生と呼ばれる者の務めではないのでしょうか?血だらけになりながら犬の唸り声を耳元で聞いてでも「あなたができないなら私が変えてみせます」の意気込みを見せるくらいのプロ根性を見せてはいかがでしょう。書道の先生も朱墨でお手本を書いて見せてくれるものです。口で指導しても書道は上手くならないものと心得ます。

犬が好きなのに好きな犬に咬まれるなんて因果な商売にございますが訓練に携わる者は犬に咬まれるのも仕事の一つにございます。できることなら咬まれないのが一番ですが“虎穴に入らずんば虎児を得ず”の諺もございます。咬む犬とお互いの鼓動をぶつけ合い、時にはお互いの血を流し、その中で咬む犬の心の叫びを肌で感じ、それに全身全霊で応えてあげてるのがプロのトレーナーなのではないのでしょうか?原始的かも知れませんが知識や思いこみだけでは何も変わらないものと心得ます。

最後に・・・

本気咬みの犬と真剣に向き合う気がないのなら、どうかよけいなことは言わないでください。飼い主様が絶望の淵に追い込まれますので・・・・。

言葉が過ぎたる段、平にご容赦を。なにぶんにも田舎者にて理不尽な発言には心が痛むもので・・・・。           


                                                         敬具
  
                                                
                                 北栃木愛犬・警察犬訓練所 所長 中村信哉



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