絶滅危惧種
中村信哉の苦悩 
〜絶対量〜



九九を習った時のことを覚えているだろうか?

苦労した人もいればあっというまに覚えてしま
った人もいることだろう。

犬の訓練とはまさに九九を覚えるのと一緒で
ある。

一の段から順に覚えていき、九の段まで進ん
でいくわけだが二の段を覚えたら一の段を忘
れ、五の 段までいったらと思ったら三の段を
忘れ、もう一度 三の段を思い出しているうち
に今度はせっかく覚 えた五の段を忘れ、よう
やく九の段に辿り着いた と思ったら、四の段
と七の段を忘れ・・・・と、覚え ては忘れ、覚え
ては忘れの繰り返しでだんだんと 身について
いく。そのうち九九を利用していろんな 計算が
できるようになっていく。

ケースバイケースだが犬の訓練もひとつずつ教えていくことが多い。

散歩の時に引っ張らないこと、待っていること、フセをすること、座ること、呼んでくること、触らせること、我慢すること、キレないこと、咬まないこと、吠えすぎないこと、受け入れること・・・・

いろんなことを教えていかなくてはならない。何か一つ覚えたら今度は二つ目のことを教える、二つ目のことを覚えると一つ目のことができなくなることがある。忘れるというよりも頭が混乱するのである。そうしたらもう一度一つ目のことを反復させる。二つ目の事をしっかり覚えたら一つ目のことと二つ目のことを交互に反復させる。三つ目がしっかりできるようになったら一つ目と二つ目と三つ目をアットランダムに反復させる。そうやって一つ覚える毎に今まで覚えたことをことある毎に反復させ、指示した合図との関連付けを脳裏に焼き付け確実性を強化していくと共に犬の頭の中を整理していくのである。

それでも犬は勘違いにより違ったことをすることがある。その場合は指示が明確であったか?犬に誤解を与えるものではなかったか?意図的にとぼけたのか?きちんと集中していたか?など原因を考えなくてはならない。その原因によって、やり直しをさせるか、叱るか、もう一度おさらいするかなどと対処法は変わってくる。

入所後、ほどなくして訓練が開始できる子ならまだいい。中には訓練に入ることすらままならない子だっている。何かを教える以前の問題である。 そういった観点から私が絶対に引き受けないのが「○○ヶ月で訓練を入れて欲しい」という依頼である。犬にも物事を覚えるための“絶対量”というものがある。“絶対量”とは物事が身につくために必要な時間と量のことである。それが犬によって違う。同じ課目でも3日でできるようになる子いれば、2週間も3週間もかかる子もいる。指示と動作の関連づけがしっかりできたとしても、二つ目三つ目を覚えたら今度はきちんと聞き分けられるようになるのに時間がかかる子もいる。

くどいようだが犬の能力も千差万別、早く学習する子もいれば時間のかかる子もいるのである。人間だって大学に現役合格する人もれば、一浪二浪を経て合格する人もいる。人間の子供の中には「お金のかかる私立よりもお金のかからない国立へ」と健気に頑張る親孝行な子供もいるが・・・・。 

それなのに「離れてるのが寂しいから・・・」「お金がないから・・・」などの理由で訓練期間を指定されるのは合点がいかない。短い期間で終わって欲しいのは誰でも一緒である。

「うちの飼い主さ〜、貧乏だから短期間で卒業しなきゃいけないんだよねぇ〜」とか
「うちの飼い主さ〜、分離不安症だから早く帰らないと円形脱毛症になっかも・・・」

などと犬同士で話をしてたら恐い・・・。仮にそんなことを思っていても“無意味”な詰め込み教育はしない主義だ。

ある犬の心の叫びを代弁するならば 「環境への適応が精一杯で精神的にも肉体的にもキツイのに「アトヘ」だの「スワレ」だの「フセ」だのやってられるかっつーの。オレのキャパシティー考えてくれよ!!」

といったところだろうか・・・・。

先生も順応性は高い方ではない。物覚えも悪い方だ。君たちの言い分は痛いほどよくわかる。 だが君たちが一回りも二回りも成長するためにはそれを乗り越えなくてはならない。

心配するな。わがままな飼い主のことなら先生に任せておけ!


絶滅危惧種:中村信哉はわんこの心の叫びにリンクしながら今日も暴れん坊のわんこ達を見守る。



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