絶滅危惧種
中村信哉の苦悩 〜急がば回れ〜



最近ひさびさに「あーいい仕事したなー」と思うことがあ
りました。

当たり前のことですがもちろん訓練に関してです。その子
は迎えに行った時に喰いつかんばかりに吠えたて触ろうも
のなら本気で咬みにくる子でした。幸い軽症で済みました
が先が思いやられそうな子でした。なんとかハウスに入れ
訓練所に連れてくることはできたのですが・・・・

とにかく人間大嫌いの子でした。シッポなどまったく振り
ません。目も合わせません。そばを通ると石像のように固
まり上目遣いをして警戒モードに入ります。触ろうとし
うものなら狂ったように逃げ回り、触ったら触ったで喰い
つくは脱糞するはの始末でした。その姿を見たらまるで私
がひどいことをしているかのような仕草です。

とにかく“これは時間との勝負”と腹をくくり、無理をせ
ず犬が歩み寄るのを待つことにしました。それからは訓練
というよりもほんとにただ犬の世話をするだけの毎日になりました。ペットシーツを変えたり、エサをあげたり、たまにほんの少し体を触るだけで特に何かを教えようとか変えようとかは一切思わず過ぎた毎日でした。

“これしかない”と自分に言い聞かせ来る日も来る日も同じことの繰り返し。2ヶ月過ぎても変化なしの状態だったのですがある日突然・・・ほんとにある日突然です。犬の目つきが変わったのです。上目遣いから正対して私を見ているのです。“よしあと少しだな”とほくそ笑み「そーだヨシヨシ」と誉めてあげました。でも触ろうとすると石像になってしまうので声をかけるだけです。それでも伝わっているのかシッポの先をプリプリ振っていました。

こうなればこっちのものでその日を境に犬との距離はどんどん近づいていきました。今では私の姿を見るなり全身で喜びを表現するまでになりました。なにができるというわけではないのですが-10から+2くらいに大進歩してくれたのでようやく本格的な訓練に入れる状態になりました。連れてくる時にオーナーさんには「かなり時間がかかりそうなので覚悟しておいてください」と言い残してきたのですがの私が予想していたよりはるかに早く卒業できそうです。

多くの皆さんが訓練所に出すと毎日なんらかの進歩をして順調に変わっていくように思っているようです。最近のしつけ・訓練に関するHPを見ても“しつけは簡単!”“○○式トレーニングならワンちゃんも楽しくお勉強!”などと簡単に言ってくれてます。「あーこの人ら犬っていう生き物を知らないなー」って思いながらいつも苦虫を咬みつぶしたような顔をしてパソコンの画面を眺めてます。なんでもかんでもエサを見せたらシッポ振って喜んで言うこと聞いてくれると思っているんだから”おめでたい”というのはこういうことを言うんだなと思います。

犬の中には決して人間の思惑通りにいかない子がいます。本来犬という生き物は多かれ少なかれ警戒心というものを持っていますのでまずその警戒心を解かなければ訓練などできません。その警戒心が解けるのに時間のかかる子とかからない子がいます。その時間のかかる子を歩調を止めて待ってあげるのも訓練の手法としてかかせないものです。

そう考えると本当に人間の子供と一緒だなと思います。何ヶ月だから立って歩けてもおかしくないとか何歳だからこういうことができなきゃおかしいとか大人の物差しだけで計ってしまうとその子に余計なプレッシャーを与えたり、欠点に見えてしまう。「それぞれ個人差があるんだから待ってあげよう。健康ならそれでいいじゃないか。明るく元気なら何より何より。」子供らを見ていて妻とよくそんな会話をします。

みなさんもしつけをするうえで覚えておいてください。
“できないことに目くじらを立てるより、ほんの小さな変化や進歩に目尻をさげて喜んでください”
きっとあなたとワンちゃんの距離はぐんと近づくでしょう。

総論

犬のしつけは右肩上がりに進みません。平行線をたどったら“でーん”と構えてください。心のゆとりが犬との距離を縮めてくれるでしょう。



絶滅危惧種:中村信哉は絶滅の危機に瀕しながらも今日も咬みつくわんこを見守る


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